
介護職への転職や就職を考えたとき、「どの施設で働けばいいのかわからない」と悩む方は多いのではないでしょうか。
介護職と一言でいっても、特別養護老人ホーム(特養)、介護老人保健施設(老健)、有料老人ホーム、デイサービス、訪問介護など、働く場所によって仕事内容や給与、働きやすさは大きく異なります。
この記事では、介護福祉士や介護職員が働ける主な施設の特徴や仕事内容、給与傾向、向いている人について詳しく解説します。
1. 介護職の職場選びで失敗する理由
介護職の転職で失敗する原因の多くは、「施設の違いを理解せずに入職してしまうこと」です。
例えば、
- 夜勤が少ないと思っていたら想像以上に忙しかった
- 利用者とゆっくり関われると思ったら身体介護中心だった
- 給与重視で選んだら人間関係が合わなかった
といったケースがあります。
職場選びで重要なのは、施設ごとの特徴を理解し、自分に合った働き方を選ぶことです。
2. 介護職が働ける施設の種類と特徴
一口に介護施設といっても、入居型の施設から通所サービス、訪問型サービスまでその種類はさまざまです。
施設ごとに仕事内容や給与水準、勤務形態、身につくスキルも異なるため、転職先を選ぶ際には違いを理解しておくことが大切です。
自分に合った職場を見つけるためにも、まずは代表的な介護施設の特徴を確認していきましょう。
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施設種類 給与 身体介護の多さ 夜勤 キャリア形成
特養 高め 多い あり ◎
老健 高め 多い あり ◎
介護付き有料 普通〜高め 普通 あり 〇
住宅型有料 普通 普通 あり 〇
サ高住 普通 少なめ 施設による 〇
グループホーム 普通 普通 あり 〇
デイサービス やや低め 少なめ なし △
訪問介護 働き方次第 普通 少ない 〇
◆特別養護老人ホーム(特養)
【特徴】
要介護3以上の高齢者が入居する介護施設です。
介護度が高く、長期間入居される方が多いため、利用者一人ひとりと深く関わることができます。
特養は介護職員の配置人数も比較的多く、未経験者から経験者まで幅広く活躍しています。
看取りケアを行う施設も多いため、利用者の人生の最終段階に寄り添う経験ができるのも特徴です。
【主な仕事内容】
- 食事介助
- 入浴介助
- 排泄介助
- 移乗介助
- レクリエーション
- 看取りケア
【給与】
介護業界の中では比較的高めです。
夜勤手当や各種手当が充実している施設も多くあります。
【向いている人】
- 介護技術を身につけたい
- 高齢者と長く関わりたい
- キャリアアップを目指したい
◆介護老人保健施設(老健)
【特徴】
病院と在宅の中間的な施設です。
利用者の在宅復帰を目指し、リハビリを中心に支援します。
利用者の入れ替わりが比較的多く、在宅復帰という明確な目標に向けて支援を行います。
そのため、利用者の回復や成長を実感しやすい職場です。
【主な仕事内容】
- 身体介護
- リハビリ補助
- 日常生活支援
- 多職種との連携
【給与】
比較的高水準です。
医師や看護師、リハビリ職が常駐しているため、医療知識も身につきます。
【向いている人】
- 医療と介護の両方を学びたい
- リハビリ支援に興味がある
- チームケアを経験したい
◆介護付き有料老人ホーム
【特徴】
施設職員が介護サービスを提供する有料老人ホームです。
民間企業が運営していることが多く、設備が充実している傾向があります。
【主な仕事内容】
- 食事介助
- 入浴介助
- 排泄介助
- レクリエーション
- 夜勤業務
【給与】
施設によって差がありますが、比較的安定しています。
【向いている人】
- 介護技術を磨きたい
- 比較的整った環境で働きたい
- 接遇スキルも身につけたい
◆住宅型有料老人ホーム
【特徴】
高齢者向けの住まいとしての役割が中心です。
介護サービスは訪問介護形式で提供されることが多くあります。
【主な仕事内容】
- 身体介護
- 生活支援
- 見守り
- 訪問介護業務
【給与】
施設によって大きく異なります。
医療対応型施設では高給与の求人もあります。
【向いている人】
- 幅広い介護経験を積みたい
- 訪問介護にも興味がある
- 利用者と個別に関わりたい
◆サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)
【特徴】
高齢者向け賃貸住宅です。
比較的自立した高齢者が入居しているケースもあります。
【主な仕事内容】
- 安否確認
- 生活相談
- 見守り
- 身体介護
【給与】
他施設よりやや低めの場合がありますが、施設によって差があります。
【向いている人】
- 身体介護の負担を減らしたい
- コミュニケーションを重視したい
- 落ち着いた環境で働きたい
◆グループホーム
【特徴】
認知症の高齢者が少人数で共同生活する施設です。
家庭的な雰囲気が特徴です。
少人数制のため職員と利用者の距離が近く、家庭的な雰囲気の中でケアを行います。
認知症ケアの専門性を高めたい方に人気があります。
【主な仕事内容】
- 食事作り
- 掃除・洗濯支援
- 認知症ケア
- 身体介護
【給与】
平均的な水準ですが、夜勤手当で収入アップも可能です。
【向いている人】
- 認知症ケアを学びたい
- 利用者と深く関わりたい
- 家庭的な雰囲気が好き
◆デイサービス
【特徴】
日帰りで介護サービスを提供する施設です。
夜勤がありません。
【主な仕事内容】
- 入浴介助
- レクリエーション
- 機能訓練補助
- 送迎業務
【給与】
夜勤がないため、入所施設より低めになる傾向があります。
【向いている人】
- 日勤のみで働きたい
- レクリエーションが好き
- 家庭との両立を重視したい
◆訪問介護
【特徴】
利用者の自宅を訪問して介護サービスを提供します。
マンツーマンで支援できることが魅力です。
【主な仕事内容】
- 身体介護
- 生活援助
- 通院介助
【給与】
非常勤では時給が高い傾向があります。
【向いている人】
- 一対一の支援が好き
- 自分のペースで働きたい
- コミュニケーション能力を活かしたい
3. 自分に合った介護施設を選ぶポイント
介護職の転職で失敗しないためには、給与や求人条件だけで施設を選ばないことが大切です。
同じ介護職でも、施設によって利用者の介護度や仕事内容、求められるスキルは大きく異なります。
そのため、まずは自分が仕事に何を求めるのかを明確にしておきましょう。
●介護技術をしっかり身につけたい人
介護技術を高めたい方には、特別養護老人ホーム(特養)や介護老人保健施設(老健)がおすすめです。
要介護度の高い利用者が多く、食事介助や入浴介助、排泄介助など幅広い身体介護を経験できます。
将来的に介護リーダーや施設管理者を目指したい方にとっても、現場経験を積みやすい環境といえるでしょう。
●給与を重視したい人
収入面を重視する場合は、特養や老健、介護付き有料老人ホームなどが候補になります。
これらの施設は夜勤があることが多く、夜勤手当や資格手当によって収入を増やしやすい傾向があります。
ただし、基本給だけでなく賞与や各種手当も含めて比較することが重要です。
●ワークライフバランスを重視したい人
家庭との両立やプライベートの時間を確保したい方には、デイサービスやサ高住がおすすめです。
特にデイサービスは日勤中心で夜勤がなく、生活リズムを整えやすいというメリットがあります。
●利用者とじっくり関わりたい人
利用者一人ひとりと深く関わりたい方には、グループホームや訪問介護が向いています。
グループホームでは少人数制の環境で認知症ケアを行い、訪問介護ではマンツーマンで支援を行うため、利用者との信頼関係を築きやすいのが特徴です。
●医療知識も学びたい人
介護だけでなく医療分野にも興味がある方は、老健や医療対応型の有料老人ホームが適しています。
看護師やリハビリ職など多職種と連携する機会が多く、医療・介護両方の知識を身につけることができます。
4. 介護職の転職で失敗しない施設選びのポイント
介護施設にはそれぞれ特徴がありますが、実際に働きやすいかどうかは施設ごとの運営方針や職場環境によっても大きく異なります。
そのため、施設の種類だけで判断するのではなく、求人情報や面接時に職場環境をしっかり確認することが大切です。
●離職率や職員の定着状況を確認する
介護業界では人手不足の施設も少なくありません。
常に求人を出している施設の中には、人間関係や労働環境に課題を抱えているケースもあります。
求人票だけでは分からないことも多いため、面接時には、
・平均勤続年数
・職員の年齢層
・離職率
・新人教育の体制
などを確認しておくと安心です。
●夜勤回数や勤務体制を確認する
同じ特養や有料老人ホームでも、施設によって夜勤回数は大きく異なります。
月4回程度の施設もあれば、月6~8回程度の夜勤が発生する施設もあります。
給与だけを見るのではなく、
・夜勤回数
・夜勤時の職員配置
・休憩時間
・残業時間
なども確認しておきましょう。
●研修制度や資格取得支援制度を確認する
未経験者や経験の浅い方は、教育体制が整っている施設を選ぶことも重要です。
介護福祉士やケアマネジャーなどの資格取得を目指している場合は、研修制度や資格取得支援制度の有無も確認しておくと将来的なキャリアアップにつながります。
●見学をして職場の雰囲気を確認する
転職後のミスマッチを防ぐためには、施設見学も非常に有効です。
見学時には、
・職員同士のコミュニケーション
・利用者の表情
・施設内の清潔感
・挨拶の雰囲気
などを確認してみましょう。
求人票では分からない職場の空気感を知ることができます。
5. 介護職の転職でよくある失敗例
介護職の転職では、事前に施設の特徴を理解していても、確認不足によって後悔してしまうケースがあります。
●給与だけで職場を選んでしまう
給与が高い求人には、それなりの理由があります。
夜勤回数が多かったり、人員配置が少なかったりする場合もあるため、給与だけで判断するのは危険です。
●「楽そう」というイメージで選んでしまう
サ高住やデイサービスは比較的身体介護が少ない傾向がありますが、施設によって業務内容は異なります。
実際には介護度が高い利用者が多く、想像していた働き方と違ったというケースもあります。
●職場見学をせずに入職してしまう
転職を急ぐあまり、見学をしないまま入職する人もいます。
しかし、人間関係や施設の雰囲気は実際に見てみないと分からない部分が多くあります。
後悔しない転職を実現するためにも、できる限り見学を行うことをおすすめします。
6.まとめ
介護職が働ける施設は数多くありますが、仕事内容や給与、働き方は大きく異なります。
- 介護技術を磨きたいなら「特養」「老健」
- 給与を重視するなら「特養」「老健」「介護付き有料老人ホーム」
- 身体的負担を抑えたいなら「サ高住」「デイサービス」
- 認知症ケアを学びたいなら「グループホーム」
- 一対一の支援をしたいなら「訪問介護」
このように、自分が介護職に何を求めるのかを明確にすることで、後悔しない職場選びにつながります。
転職や就職を検討している方は、ぜひ施設ごとの違いを理解したうえで、自分に合った職場を見つけてください。